惑星名の話

神道に関わりある話題なども少々。


火星や水星などの星を惑星と言いますが、これは天球の動きに関わりなく動き回るこれらの星を、天文学者が「プラネット」(=惑うもの)と呼んだのが始まりです。

普段、惑星といえば、水金地火木土天海冥の旧惑星ですが、もともとの意味で言う惑星とは、五惑星と土星外惑星に月と太陽を含めた10の惑星を指します。
これが西洋天文学の定義ですが、
仏教天文学宿曜道)では、一週間の曜日の名にもなっている“日月火水木金土”の「七曜」に、彗星である「計都」と、日食と月食を引き起こす星である「羅喉」を加えて「九曜」と呼びます。

五惑星を陰陽道における五行要素である木火土金水の名で呼ぶのは、無論仏教天文学や東洋占星術からきた呼び名です。
西洋ではギリシア神話ローマ神話の神の名前で呼ばれます。
例えば地球はギリシア神話では「大地」を表す女神「ガイア」の名で、おなじくローマ神話では「テラ」と呼ばれます。
木星ギリシアでは「ゼウス」、ローマでは「ユピテル」。
月はギリシアでは「アルテミス」或いは「セレネ」、ローマでは「ディアーナ」或いは「ルナ」と呼ばれます。

これらに対して、惑星の和名というものもあります。
水星は辰星。
金星は太白星、和名を夕筒(ゆうつつ)。
ほか、守り星、夕飯星、飯炊き星、大臣星、烏賊星など。
火星は榮或星(けいこくせい・ほのおぼし・ひなつぼし)或いは災星。
木星は歳星。
土星は鎮星(ちんせい・なかつぼし)。

これらの惑星に加えて、近代に入ってから天王星海王星冥王星の三つの土星外惑星の存在が確認されました、そこで天文学者(占星学家)たちは伝統に則り、それぞれ天空神「ウラヌス」、海洋神「ネプトゥヌス」、冥府の神「プルートゥ」の名を当てました。
天王星海王星冥王星という日本語名はこれらを和訳したものです。